くろはら 先生
そろばんとの再会が教えてくれたこと
大手メーカーに36年勤め、医療機器の事業企画や販売推進を担当してきました。オランダに6年間駐在したのち、55歳のときに単身赴任先の北京へ。
北京駐在の時、息子が学校で使っていたそろばんを日本から持ち込んで、パチパチと弾いていたんです。それが、続けているうちに、だんだんと面白さに引き込まれている自分に気づきました。
帰国後は本格的にそろばんを再開しようと、大人向けのそろばん教室を検索。ヒットしたのがいしど式でした。大人クラスに通い始めると、周りの大人たちが黙々とそろばんに向き合う姿が印象的で、「本部のバックアップもしっかりしているし、なにより子供たちの将来を大きく変える可能性がある。これはすごい仕事だ」と、教師資格の取得を決意しました。
36年のサラリーマン生活に区切りをつけ、65歳以降も自分で続ける時期も辞める時期も決められる仕事がしたかったこと。そして、海外でも通用する「日本文化」を伝えたかったこと。この3つが、私を資格取得へと後押ししてくれました。

「本当に教えられるのか」——資格取得までの1年間
正直に言うと、開校前は不安の方が大きかったです。営業・企画畑を歩んできた人間にとって、「教える」というのはまったくの未知の世界でしたから。「こんな小さな子供たちを、本当に自分が指導できるのか」と、何度も自問しました。
指導者資格の取得にかかった期間は約1年。在職中だったので、平日はほとんど時間が取れず、学習は週末に集中して進めました。家族の協力も得ながら、退職前の1年間で取得を完了させるスケジュールです。
学習は主にインターネットの珠算教師教師資格のeラーニング講座で進めることができます。そろばんの弾き方や計算の習得が中心ですが、進めていくうちに随所で「なるほど」と思わされる場面がありました。
そして何より役立ったのが、資格取得後に行われる2日間のスクーリングです。暗算法をはじめとする各科目の指導方法を、しっかり教えてもらえる場でした。座学だけでは掴みきれない「教え方」の部分が、ここで一気に腑に落ちた感覚があります。
資格を取って良かったと思うこと
開校から3年が経ちました。最初の1年は本当に苦労もありましたが、「教えられるのか」と不安だったあの頃とは違い、心から楽しめている自分がいます。
これから教師資格の取得を目指す方に伝えたいのは、そろばんの指導経験がなくても大丈夫だということです。私自身、営業畑一筋でしたが、講座とスクーリングを通じて自然と指導の土台が身につきました。ゼロからでも、きちんと「教えられる先生」になれるプログラムが用意されています。
子どもがいっぱいいる場所は、やっぱりこちらまで元気になります。どんどん、計算が上達し、暗算できるようになっていく姿を見るたびに、この仕事を選んで良かったと感じます。そろばんは日本文化のひとつ。それを次の世代に継承できる先生になる。資格取得は、その第一歩となりました。





























