田村 先生
ゼロからのスタートで、夢の実現へ
もともと幼児向け教室の事務職として働いていて、そこでさまざまな年代のお子さんたちと接するうち、教育に興味を持つようになりました。自分で直接子供たちに教えることができたら、もっと仕事にやりがいが持てるだろうな…と漠然と考えていたものの、当時の私は事務職で、人に教えるスキルも持っていませんでしたし、教室を持つなんて夢のような話でした。
そんな時、そろばんの講師資格がとれること、そろばんの経験がなくてもゼロから学べるということを知り、やってみたいと思ったのがきっかけでした。
そろばんといえば、「願いましては〜」というかけ声とともに、黙々と珠を弾くイメージだったのですが、イメージとはだいぶ違うものでした。教材にイラストがあったり、なぞなぞがあったりして、子供たちが楽しく学べる工夫がされていることにまずびっくり。そして何よりも、そろばんは幼児の脳開発に役立つということを初めて知りまして。そろばんを通じて、子供の教育に深く携われるというのが、私にとっては目からウロコが落ちる思いでした。
家事との両立も無理なくクリア
資格取得までの道のりは、インターネットを通じて学べるというのが、私には大きなメリットでした。当時は仕事をしていたので、空いた時間を利用して復習し、自分のペースですすめられるのが本当に助かりました。ですから、いま振り返ってもあまり苦しかった思い出はなく、終始楽しく勉強できたと思います。
資格を取得してからは、主婦をしながら講師の仕事をこなす日々。午前中に買物や洗濯などの家事を済ませ、教室には午後から出勤します。子供たちが学校から帰ってくるのが15:00頃なので、15:30から教室をはじめて、最後のクラスが19:00に終了。その後帰宅して夕飯の支度をして…という流れで無理なくこなせましたので、妊娠8ヶ月まで仕事を続けることができました。
その後出産し、現在は育児のためお休みをいただいていますが、今後は子供の成長や保育所の状況をみながら、復帰のタイミングを考えていこうと思っています。女性としては、結婚・出産という大きな生活スタイルの変化があっても、その時の状況にあわせて働けるというのが最大の魅力だと思いますね。
年齢に縛られず、長く続けられる
そろばんの先生というのは、子供たちの笑顔が直接見られる素晴らしい職業だと思うんです。
「そろばんが楽しい」「学校でも算数が好きになった」、そういった子供たちからの嘘のない声を聞けるので、そのたびにやってよかったなと思います。また、はじめは全然集中できなかった子や、珠をはじくことすらできなかった子が、教室に通っていくうちに1時間座っていられるようになり、3ケタの計算までスラスラ解けるようになっていく。そんな子供たちの成長を目の前で見て喜びを共有できるのは、この仕事でないと味わえないことだなと強く実感しています。
さらに自分自身を振り返ってみても、以前は人に怒ったりできない人間だったのですが、生徒指導を通じ「本気で向き合って伝えること」を学び、成長できたと感じています。
今後の目標は、通ってくれる子供たちにとっても、自分自身にとっても「長く続けられる教室」を作っていくこと。一般企業のように、年齢による仕事の限界や定年退職もありませんし、年齢を重ねても変わらず活躍できるのもこの仕事の魅力だと思いますので、今後も精進しながら、一人一人の生徒を大事にして、生徒に愛される教室を作っていきたいですね。