なかざわ先生
育休中の一歩が、そろばんの先生になるきっかけに
「いつか、そろばんの先生になりたい」。子どもの頃からそろばんを習っていた私は、そんな思いを心の片隅に持ちながら、会社員として働いていました。
転機となったのは、2017年の出産です。育児と仕事を本当に両立できるのか、自分はこれからどのように生きていきたいのかを考えるようになり、育児休暇中にそろばんの先生の資格取得を目指して勉強を始めました。
全国珠算連盟の珠算教師資格取得はe-Learningから開始するので、子どもが寝た後の時間を勉強に充てることができました。復職後に実地研修にも参加し、会社員として働きながら、少しずつ開業への準備を進めました。
大手企業を退職して教室を始めることには、周囲から「もったいない」と心配する声もありました。それでも夫の「やりたかったらやってみれば」という言葉に背中を押され、「今やりたい」という気持ちを大切にして、一歩を踏み出すことを決めました。

一人ひとりに寄り添うことが、教室運営のやりがい
説明会には子連れで参加しましたが、温かく迎えてもらい、そろばん業界について丁寧に説明して頂きました。
杉並和田教室は住宅地の中にあり、開校当初は口コミを中心に生徒が増えていきました。「友だちの子どもが楽しそうに通っているから」とママ友から紹介頂いたり、ブログやSNSを見て体験学習に訪れたりする生徒も増えています。
教室運営で何より大切にしているのは、生徒や保護者とのコミュニケーション。生徒の表情や様子の変化に気を配り、「今日はどうしたの?」と声をかけるなど、一人ひとりに合わせた対応を心がけています。保護者にも、授業での課題だけでなく、「今日はこんなことを頑張りました!」と教室での様子をできるだけ具体的に伝えています。
何よりのやりがいは、生徒の成長を間近で見られること。最初は「やりたくない」と言っていた生徒が、できることが増えて自信を持ち、表情が明るくなっていく姿を見ると、とても嬉しくなります。

「今日もやり切った」と思える、今の働き方
二人目の出産を迎えたときには、自営業だからこそ育休がなく、仕事をどう続けるかという悩みもありました。それでも、生徒たちの学びを自分の事情で止めたくないという思いから、他の先生たちと協力。出産後は週1回の出勤から徐々に仕事を増やし、約3か月で完全復帰しました。
家庭でも、夫と仕事のスケジュールを共有し、送迎や家事を分担。必要なときにはシッターや他の先生方の力も借りながら、家族との時間も大切にしています。
会社員時代と比べて、授業があるため自由に勤務時間を短縮する難しさはあるものの、自分自身で理想の働き方をつくれることは大きな魅力。現在は週4日勤務とし、授業のない午前中を自己研鑽や教室運営の時間に充てています。
「今日はこれができた、今日もしっかり仕事を終えられた」と、1日をやり切った感覚で帰れることが幸せだと話す中澤先生。母親になったことで、生徒にも「楽しみながら成長してほしい」という視点を持てるようになったことも、自身の強みになっています。
起業のきっかけも、最初から大きな決断があったわけではありません。パンフレットを請求する、説明会に参加する、教室を実際に見に行く。そんな小さな行動の積み重ねが、そろばん教室開校の第一歩につながりました。





























